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1章 3

ผู้เขียน: 深田あり
last update วันที่เผยแพร่: 2026-08-20 20:13:19

この世界において変なことは他にもある。

日没がとても遅いのである。

七月だからと日が長いのは当たり前だが、それでも夜の九時近くにならないと日が完全には沈まないのだ。

この世界特有の現象かと最初は思ったが、そうではなく、世界が崩壊してからそうなってしまったとのこと。

箱船の壁に掛けられている時計を見ると夜の七時半。しかし空はまだかなり明るく、夕方にすらなっていなかった。

奇妙な空での夕食。今日は焼き肉ということもあり、箱船のメンバーはがつがつと無心で肉をむさぼっている。味わうということは誰もしていなかった。皆ひたすらにむさぼっていた。

ただ会話がないかというとそうでもなく、特に俺のようによそから来た人間の情報は知りたがっているようで、俺は可能な限り伝えることにした。

――が。

異世界パラレルワールド?」

墓川が肉を咀嚼し終えると、訝しそうにそう訪ねてきた。

俺は皿の上に肉と箸を起き、首肯する。

「ああ、色々考えたんだけど、それしかありえないと思うんだ。俺が家の玄関を出るまでは世界は普通だった。黒い渦みたいなのがあって、そこを通ったらここに来ていたんだ」

「それで?」

何故か、墓川の声が冷たい。目も細くなり、瞳からは光も消えかかっていた。

もっと驚いたり、あるいは喜んだりするかと思ったが、この反応は意外である。

「だからさ、逆に黒い渦を通れば戻れるんじゃないかなって」

「どこにあるのー?」

いずみがちょいちょいと肘でつついてきた。

「いや、それが……そのことに気づいたっていうか思い至ったのが今日で、それは失敗したと思う。だから明日さ、それをみんなで探さない?」

俺としては妙案だと思った。

誰だってこんな世界で生きていくのはまっぴらに決まっている。

だから一緒に賛同してくれる。そう、考えたのだが――

「ナンセンスだ。現実逃避はよしたまえ」

面川が俺から目を反らし、呆れまじりにそう言ったではないか。

「いや、信じて貰えないかもしれないけど! でもそれしか考えられないっていうか」

俺の言葉を遮り、墓川が答える。真剣に聞く気もないのか、肉を食べながら。

「いいか、君はラストフィナーレのショックで精神にダメージが行ってしまったんだ」

「いや、しかし」

「では君はこの世界に来てからここに来るまでの間何をしていたんだ?」

「そ、それは……記憶が曖昧で……」

「だろう? 記憶の混乱。パニックになり君は自分に都合のいい出来事を創作しているんだ。だが、我々にそんな世迷言を信じる理由はない」

そこまで言われると俺としても何も言えなくなってしまった。

その沈黙を破ったのは、今まで一心不乱に肉を食っていた男――面木だった。

「おい墓川ー、うぜえよお前。ベラベラベラベラ偉そうに喋りやがって。飯が不味くなる。てかよ、何リーダー面してんだてめえ」

「そうよそうよ。ムカつくわねえ。ねー、面木くん」

面木という男はぱっと見細身に見える。しかし実際は違う。コートを羽織っているからわかりにくいけど、こいつはかなり筋骨隆々であり、背丈も百九十近い。

手はごつごつとして、付け根は全て潰れてタコが出来ていた。拳ダコと呼ばれるものだろう。

目つきは猛禽類のように鋭く、一目で射すくめられそうになる。

そしてその隣に寄り添う女。髪の毛を結い、軽くメイクをしていて、箱船の中では一番綺麗だった。顔立ちも整っており、すっと通った鼻、きらめく瞳。素直に美人と言える。いずみや由那もかわいいが、花香はその上を行っている。

ただ花香はいつも面木と一緒にいて、面木に寄り添っている。この二人とは未だにまともに会話出来ていない。あまりしたくないが。

何故なら雰囲気が悪いのだ。面木にしろ花香にしろ全身から近寄るなというオーラをまき散らしていて、非常にとっつきにくい。あと正直に言うなら、俺は面木が怖い。

全身から暴力が気配となって漂っていて、声も大きくて一言一言に身が竦みそうになる。

箱船のみんなは全員が同年代だ。明らかな年上も、明らかな年下もいない。

だが、その輪は決していいものではなかった。

墓川は箸を皿に上に置き、面木に視線を移す。

「面木。君は今日何をしていた?」

「あ? 食料探してた。出したろ? あ?」

「墓川のばーか。ねー、面木くん」

「…………」

墓川は何も言わない。ただ不満そうに面木を見つめるだけだった。

食料。確かに面木は出した。けれど少量だ。米をひとつまみ。それだけだ。花香に至っては何も持ってきていない。

しかし。

「なんだよ。やんのか? あ?」

面木がドスを利かせてそう言うと、墓川は何も言えず、目を反らすことしかできないのだった。

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